歯を削るか削らないか

患者さんの中には、本やインターネットなどで「歯は削らない方が良い」という記事を目にし、歯科医院で歯を削らないように要求する方がいらっしゃいます。顎関節症治療において全く歯を削らない方針の歯科医院もありますが、名取歯科医院では「絶対に削らないでください」と言われてしまうと、その患者さんを治療する事は実質的に不可能になってしまいます。

歯を数ミクロン削ることで、実は歯と顎のバランスを改善することができます。なぜならば顎関節(軟骨と骨の関係)は年齢や環境とともに変化していくからです。その変化に伴って正しく歯を削って調整することで、きちんと歯を噛み合わせることができるようになります。これを咬合調整と呼びます。

また他の歯科医院で、カーボン紙を歯で挟んでカチカチ噛み、患者さんが噛み合わせが高いと言えば歯を削り、大丈夫だと言えば治療完了。といったご経験がある方も多いと思います。患者さんの主観によって歯を削るかどうかを決定し、客観的なデータがあるわけではなくある意味で歯科医師は言いなりです。それはとても危険なことだと名取歯科医院では考えます。

名取歯科医院でもカーボン紙は使いますが、それはあくまでも噛み合わせた時に歯が当たっているところを見るためです。名取歯科医院では、治療の前にデジタルで噛み合わせをデータ化する検査装置(Tスキャン)を使用して、精密な噛み合わせの検査を行い、客観的かつ科学的なデータに基づいて治療計画を立てます。また、デジタルのデータは患者さん自身でご覧いただくこともでき、患者さんにご納得頂いた上で、歯を削る治療を行います。

名取歯科医院では顎関節症治療の一環として数えきれない程、患者さんの歯を削っていますが、勝手に削られた、削ったらダメになったと言われたことはありません。中には、治療の翌日に患者さんご自身から「お口の悩みが改善した」というお電話を頂き、大変うれしく感じたことがある程です。 歯を削ることは患者さんにとってネガティブなイメージがあるかもしれませんが、歯を削ることで歯と顎のバランスが良くなるち科学的な顎関節症治療があるということを、知っていただきたいと思います。