保険外診療のみという選択保険外診療のみという選択

保険外診療のみという選択

2023年で名取歯科医院が保険診療を辞めて8年目になります。

保険診療を辞めた際には、以前から通院して頂いていた患者さんからはお叱りの言葉や、様々なご意見を頂きました。
名取歯科医院の院長である私自身が歯科医師になって既に30年が経ちます。この30年の中で世界経済は凄まじい勢いで変化し、皆様がお持ちの携帯電話もポケットに入る小ささで更に高性能化してきています。今後とも更なる進化が進んでいくでしょう。しかし、日本はあのジャパンASナンバーワンから遠く及ばずといったところではないかと感じています。

顎関節治療においても残念ながら同様であると感じざるおえません。

30年前、私自身も患者さんと同じく、顎関節症に悩む一人の患者でした。
顎関節治療で有名な歯科医師を訪ね歩き治療しましたが、結果は思わしいものではありませんでした。
そんな中、ある歯科専門誌で顎関節症の講演がアメリカであると知り視点を変えてみようと、サンフランシスコで行われる顎関節症の講演会に参加しました。それまで日本の講演会にしか参加したことがなかった私は、講演会の雰囲気やアメリカの歯科医師の情熱に日本のそれとは全く違う印象を受けました。

勿論、これは病院や医師の技量だけではなく、私が治療を受けた20年以上前の技術や材料が現在よりも劣っていたことにも原因があると思います。
しかしながら治療を受けた当時、すでに歯科医師であった私でさえもこのような経験をしているということは、一般の患者さんにおいて良い歯科医師を探すことは、なかなか厳しいことではないでしょうか。

日本の歯科保健医療にたいして国の予算は30年前から全く変わっていません。しかし、世界では様々な歯科技術や歯科材料がどんどんアップデートされております。そのアップデートされた機器や材料を使いたくてもその9割が保険診療では使えません。最近になって、ようやく金属以外の白い被せ物が保険で承認されましたが、材料がプラスチックのため、どうしても耐久性に劣ります。力がかかる部分に用いれば、破損の可能性が高くなります。また、汚れも付きやすくニオイも停滞します。

名取歯科医院では常に新しい技術や素材について知識を得ることを心がけています。そしてどのような治療法が患者さんに対してよりよい治療であるのかを考えていくことが、患者さんにとって、より良い歯科医師、歯科医院であり続けるために大切なことだと考えています。

そのために、保険外診療で仕事をするという選択をしました。それはけして患者さんにセラミックやインプラントを売っているわけではありません。保険診療では得られない健康を患者さんに知って欲しいからこそ、その選択をしました。

良く咬んで食べるということは「食欲」という人間の欲求を満たすために必要な機能です。その機能を治療によって回復させる、長く維持することが出来れば、それは患者さんの命を支える土台になると考えています。

そのためには、どうしても保険診療での技術や材料では不十分であると名取歯科院では考えております。

また、患者さんのお口の中の状況はそれぞれ違います。
きちんとした治療には、患者さん一人一人に対してしっかりと検査し、説明し、治療するための時間が必要です。15~30分の治療では何も出来ないと名取歯科院では考え、患者さん1人ひとりに歯科衛生士が担当として付き添い、ご要望に沿ったオーダーメイドの歯科治療を提案しております。