顎関節治療
殆どの歯科医師が、顎関節症治療の基本治療をマウスピース(スプリント治療)と考える理由には、過去に顎関節症と咬み合わせの関係に関してアメリカで発表された1つの指標が発端となっています。
約30年前、アメリカで顎関節症と咬み合わせには無関係とする指標が出され、それ以降、日本では咬合調整(歯を削る)という治療が真っ向から否定され、マウスピースによる治療(スプリント治療)への傾倒が強くなりました。
しかし、よく考えていただきたいのは、顎とお口の仕組みです。顎関節、歯、骨、筋肉、神経など、すべては繋がっており、それぞれが機能し連携していますね。
例えば、歯科インプラントが今はあるから歯を抜いて問題ないと言う歯科医師もいますが、その考え方に名取歯科医院は賛同できません。歯は骨に直接つくのではなく、歯根膜という組織があり、咬み合わせに順応するため適度に移動できるような構造を持っています。
顎関節症でマウスピース治療(スプリント治療)を行うと、歯をがっちりと固定することになり、本来の順応する余地を狭めていきます。そして顎関節に負担を増幅させ咬み合わせの変化を招き、結果として歯そのものに過度の負荷がかかり、欠けや割れのリスクを増大します。顎関節症や咬み合わせ治療においても、基本的な考えは同じです。
マウスピース治療(スプリント治療)だけが正義ではなく、人体の構造や患者さんの顎関節の状態を理解して、適切な顎関節症治療を行うことが大切です。顎関節症だからと言って、無闇にマウスピース治療(スプリント治療)、マッサージ、カイロプラクティックなどを勧める歯科医院は注意が必要と言えるでしょう。
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