患者さんに理解できない治療患者さんに理解できない治療

患者さんに理解できない治療

先日、顎関節症のお悩みで来院された患者さんのお話ですが、名取歯科医院に来られるまえは「顎関節と体の歪みを直す」という治療を受けてきたそうです。治療名を聞きましたが私は知らないものだったので患者さんに詳しいお話をお聞き致しました。

こちらはその治療で用いていたプレートの写真です。

これを6年間使っていたというのですが、外した時に噛めなくて入れている時は良くなったそうです。こちらを口の中に入れて生活することの違和感はかなりのものだったのではないかということ、こちらを使い続けなければならないという状況はかなり患者さんに負担であろうことは想像に難くありませんでした。
にもかかわらず、こちらのプレートを用いることで、どのような根拠で体の歪みを直しているのかは、患者さんご自身にも全くわからないそうです。

私はこの治療自体を知らないため治療自体には何とも言えません。ただ、患者さんが理解できない治療を歯科医がするということについて、なんともいかがなものかと感じました。また歯科医師が顎関節だけでなく、体全体を治療するということにも違和感を覚えます。名取歯科医院では、歯科医師は頸部から上のお口の中や顎関節あたりまでの治療が守備範囲ですあると考えています。身体全体のことについては守備範囲外であり、お口の治療で「体全体が治る」とは私には言えません。

もちろん、私がすべての治療に精通しているわけではありませんし、歯科治療だけでも次々と新しい素材や治療法が生み出されています。ただ、患者さんに治療についてきちんと説明できない、しない、そして患者さんに理解と納得をしていただけないまま治療を行うということはあってはならないことだと名取歯科医院では考えています。